K’s不動産BLOG

~不動産の基本的な知識をわかりやすく説明するブログ~

【必見!】賃貸借契約書がわかるようになるポイントとは!?

こんにちは!Kです。
賃貸で家を契約する際に、必ず皆さんがサインする賃貸借契約書(以下、契約書といいます)についてお話していきたいと思います。

 

私もこれまで数えきれないくらいお客様へ契約書をご説明してきました。
読んできた私が言うのもなんですが、契約書って細かい字で色々と書いてあって、何が何だかわからなくないですか?笑

 

正直、お客様の表情を見ていると、

「あ、もう完全に飽きてるな・・・」「すごい眠そうだな・・・」「早く終わらないかな~って思ってますよね・・・」

 

といった意志がビシビジ感じられ、違った意味で辛い思いをします笑

皆さんがご存じのとおり、契約書には色々なことが書かれています。
でも、その中で特に理解しておかなければならないポイントと、さらっと目だけ通しておけばよいポイントがわかれています。

内容としては長くなってしまうので、◇前編◇と◆後編◆にわけて書いていけたらと思います。

 

これを知っておくだけで、意味不明だった契約書が少し読み解けるようになります!


今回は契約書のサンプルとして、国土交通省のHPに掲載されている「賃貸住宅標準契約書 平成30年3月版・家賃債務保証業者型」を使ってご説明しますね!
住宅:『賃貸住宅標準契約書』について - 国土交通省 (mlit.go.jp)

■ 頭書は契約内容の要約

契約書といえば、
第1条 甲は、・・・・・しなければならない

みたいなものがひたすら書かれているイメージがありますよね?
これを条文と言います。

 

ただ多くの契約書は、条文の前に「頭書」というものがあります。
この「頭書」は何かと言うと、後ろに控える細かい条文の要約のようなイメージで思っていただけると良いです。

 

  1. 物件名称(●●マンション・・とか)
  2. 契約期間
  3. 賃料等(家賃は?共益費は?など)
  4. 貸主および管理会社(大家さんとか、不動産会社の情報)
  5. 借主及び同居人(あなたの情報など)
  6. 家賃債務保証業者(別記事で追って詳しくご説明するのでスルー)

 

ここで記載されている項目が、後ろで条文で細かく書かれていると思いましょう。
なので、目次だと思って頭の片隅に置いておくと、その後の条文の説明の際に、
「あ~、あれのことね!」みたいに内容がつかみやすくなります。

 

どうでしょうか?
第2条:契約期間について書かれていそうですよね?
これってさっきの頭書の2で書いてあった内容を小難しく言い直しています。

 

第4条~第6条(賃料、共益費、敷金)
これって頭書3で書いてある内容をそれぞれの条文に置き換えて説明しなおしていますよね?

 

繰り返しになりますが、頭書はあくまでも要約(目次)です!
だから、後ろの条文でちゃんと詳しく説明しますよ~ということですね!

 

契約書で使われている言葉は、わざと小難しく書かれていると思ってください。
だから、頭書でサラッと内容をナナメ読みすることがおススメです♪

 

 

■ この条文は要チェック!押さえるべき契約条項をピックアップ

ここは押さえよう!

  • 原状回復関連の条項
  • 解約条項
  • 解除条項

1)原状回復関連の条項

賃貸で一番トラブルが多いのが解約時の原状回復工事についてです。
「こんな内容聞いてない!」「こんなに金額がかかると思っていなかった!」

なんてことにならないように、しっかりと内容を確認しておきましょう。

 

第15条(明渡し時の原状回復)がこれにあたりますね。

「乙は、通常の使用に伴い生じた本物件の損耗及び本物件の経年劣化除き、本物件を原状回復しなければならない。ただし、乙(=あなた)の責めに帰することができない事由により生じたものについては、原状回復を要しない」

 

簡単に言い換えると・・・

あなたはお部屋の原状回復(=クリーニングとか壊れた部分を直すこと)をしなければなりません。でも、あなたが普通に使っていて汚れた(壊れた)部分や、物件が古くなったことにより発生した汚れ(壊れ)は対象外ですよ。
もちろん、あなたのせいで汚れた(壊れた)わけでないのであれば、それも対象外ですよ。

こんなイメージです。

 

当たり前のことを言っているようですが、なんとなくふわっとしていますよね?具体的にあなたの負担となるのはどんな場合?といった疑問に答えるために、国土交通省ではガイドラインを設定しています。

 

要は、これは大家さんの負担だよね、この場合は借主さん(=あなた)が負担するべきだよねといった内容を振り分けしています。それが下の表ですね。

多くの不動産屋さんはこの基準に則って原状回復の見積とか工事範囲を決めていますが、この表はあくまでも目安であって、これ以外の取り決めをすることも有効ではありますので注意してください。

その場合、特約条項などで記載されていることもありますのであわせて確認してみましょう。(下の19条ですね)

 

 

 

一般的に多く使われている特約としては、
・ルームクリーニング代
・エアコンクリーニング代
・鍵交換代
・畳交換代(和室がある場合)

これらを借主(=あなた)の負担にしますーといった内容です。

トラブルが多いのは、クロスの張替え範囲ですね。
これについても上の表の中に目安が書かれていますので、内容を確認しておいてください。

契約書にサインをしてしまうと、記載内容に合意したと見なされるのが原則なので、後からひっくり返すのはかなり至難の業です。

 

なので、必ずサインする前(契約前)に内容をしっかりと確認するようにしましょう!

 

2)解約条項

次のポイントは解約についてです!

契約書には、「解約」と「解除」という言葉が両方出てきます。賃貸の契約書上での違いは何か・・ざっくり以下のようなイメージでOKです。

 

解約・・・あなたがする行為

解除・・・大家さんがする行為

 

つまり、あなたがお引越しなどの理由で契約をやめる場合は「解約」といい、大家さんが「契約やめますー(建替えとか、契約違反が発覚した場合など)」という場合は「解除」という言葉が使われる感じです。

 

※法律的な正確な意味を理解するというよりかは、あくまでもざっくりとしたイメージを持ってもらうことを趣旨としています

 

前置きが長くなりましたが、ここでは「解約」についてのお話し進めていきます。

 

あなたが賃貸契約を解約する際、一般的には解約予告期間が設けられています。
「解約予告期間」の間に、大家さんや管理会社で書類や精算の準備だったり、クリーニング業者の手配、さらには次の入居者さんの募集など段取りをとっていくわけですね。

 

あなたがチェックするべきポイントは、この「解約予告期間」がどれくらいなのか・・です。

 

第11条第1項の内容を確認しましょう。
「乙は、甲に対して少なくとも30日前に解約の申入れを行うことにより、本契約を解約することができる」

 

国土交通省のサンプルですと30日間の猶予期間を作ってねとなっていますが、多いのは1か月前予告となっている場合です。

 

なぜこの猶予期間をチェックする必要があるかと言うと、第11条第2項を見てください。

「前項の規定にかかわらず、乙は、解約申入れの日から、30日分の賃料(本契約の解約後の賃料相当額も含む。)を甲に支払うことにより、解約申入れの日から起算して30日を経過する日までの間、随時に本契約を解約することができる。」

 

 

何が言いたいかと言うと・・・

原則は30日の猶予期間を持って前もって解約することは伝えてね(第1項)
でもね、解約申入れの日(=あなたが解約したいですーって初めて伝えた日)から30日分(=予告期間相当)の賃料を払ってくれるなら、30日以内であっても解約していいですよ。

ということです。

 

要は、お金払ってくれるなら任意に解約してもいいよーってことなんですが、猶予期間が長すぎると(仮に2か月とか・・)、あなたのお引越しのスケジュールを組むのも難しくなりますし、何より住んでいないのにお金がかかってしまうリスクが高くなりますよね・・

 

なので、解約についての条文では「解約予告期間」を忘れずに要チェックです!

 

3)解除条項

最後のポイントは解除条項です。ここはそこまでしっかりと理解しようとしなくても大丈夫ではあります。

 

あなたが大家さんの立場だったら、どういう時に契約を解除したくなりますか?

契約書で解除事由に該当するのは大きくわけて次の2つのケースです。

<A> お金(賃料・共益費・修繕費)を払わない場合

<B> 契約ルールを守らない場合

 

いづれの場合も1発アウトになるわけではなく、大家さんや管理会社からの度々の注意(催告)にも関わらず改善されず、これ以上契約を継続するのは不可能だ!!

 

となってしまった場合に契約解除という措置がとられます。

 

なので、普通に使用している限りにおいては契約解除はあまり気にする必要はありません。くれぐれも軽い気持ちで家賃を滞納したりすることはやめましょう!

後々困ったことになりかねませんからね!

 

ー-

はい、少し長くなりましたが以上が賃貸借契約書の内容で特に理解しておいた方が良いポイントとなります。

 

皆さんもポイントをしっかりと理解して防げるトラブルは未然に防ぎながら、楽しいお引越しライフを送ってくださいね☆☆

 

それではまた~~♪